花火が耳の奥でまだ鳴っている夏の帰り道に聴きたい80年代CITYPOP 4選
※下記の"story "は掲載曲を聴いて想像したものです。音から見える風景や物語を文にしています。是非、音楽を聴きながら読んで頂けると幸いです。
"story"
屋台から出る煙りが風に吹かれ、夏の喧騒と混ざる。
君は私に団扇を、私は君に団扇を。
何気ない会話をしていると途端に祭が沈黙する。
「たまや〜。」
どこからか聞こえた子供の声の数秒後、真っ暗だった空が色彩豊かな灯りをつける。
少し遅れて耳を突き抜く開花の音。
一瞬の輝きが間も無く続いて眩しい夜が明けた。
・City Popの女王 吉田美奈子
1971年アマチュアの頃から、はっぴいえんど界隈と親しくしていた彼女。
あのメンツの中、悠々としている彼女を想像するとパワフルな歌声と秀逸なセンスに頷けます。
その繋がりから細野晴臣プロデュースによりデビューする彼女は自身の楽曲制作以外にも山下達郎、角松敏生の曲に多数携わっています。
上記を読む限り、携わっている人達から彼女が間違い秀逸なアーティストだとわかります。
そんな彼女から今回は、こちらの曲をピックアップ。
イントロの広がる音から夜空に広がる花火が想像できます。
・1人多重録音の先駆者 佐藤博
ピアニストとして数々の名だたるアーティストの作品に携わってきた彼。
その彼の全てが詰まったと言っていいアルバム「awakening」からこの曲をピックアップ。
まずは聞いてほしい。
この素晴らしい音楽を。
花火が終盤に差し掛かった頃に、手を繋ぎながら愛する人とこう口ずさみたくなると思います。
"You're my baby"
・聖子ちゃんはアイドルだけれどこの曲はCITYPOPだ!
誰もが知っている松田聖子には、名曲が沢山あります。
その中でも特に夏の風を感じる楽曲がこちら。
松任谷由実の作曲だからこそ頷ける素晴らしいグルーヴ。
そして聖子ちゃんの透き通った歌声はより開放感のある夏を表現します。
ピッチ補正もままならない時代だからこそ70.80年代のアイドルは歌唱力も本物なのです。
是非、ヒットスタジオでのステージもご覧頂きたいと思います。
2分37秒のウインクはあの時代の少年達をどれだけ魅了させたのでしょう。
・帰り道花火の音と杏里の声が重なる。
杏里作曲作詞の楽曲。
イントロの不思議なメロディー。
少し不安定なこの音から夜の帰り道が見えます。
これからどうなるのかわからない。
そんな不安と楽しみが交差する気持ちはAメロの暖かい杏里の声で掻き消されます。
段々とこれからの想い出が色付いていく。
さっきまでの気持ちとは裏腹に今はしっかりと先を見つめ自宅の前へ。
ふと振り向いて空を見上げる。
同じ頃、想いを馳せる彼も空を見上げる。
目の前に広がる夜空には何もない。
けれど、お揃いのネックレスは2つとも花火の色に輝く。