グルーヴは都市にある。

音楽には、風景があると思います。この音楽を聴けばあのシーンが蘇る。あの音楽を聴けばあの人のことを思い出す。そのような音楽が独自に持ったstoryを綴っています。是非、掲載曲を聴きながら私の"story"を読んで頂きたいです。その音楽から見えた風景を貴方と共有したいと思っています。

Night Tempo『夜韻』の極上歌謡グルーヴを冷たく寂しい夜と共に。

フューチャーファンク界隈では知らない人はいないだろう韓国のプロデューサーNight Tempoが新しくニューアルバムをリリースした。


東京タワーをセンターに持ってきてその向かいにはレインボーブリッジ

夜のアーバンな東京を演出したジャケットは80年代CITYPOPを感じる。


さて、彼は日本歌謡曲の超コアなレコードディグラーだ。実際今回のアルバムも2曲目Dystopia は吉田美奈子のLIGHT'N UPをサンプリング

4曲目Club Ramuneは杏里のBRING ME TO THE DANCENIGHTをサンプリングしていたり、やはり「アイラブ歌謡曲」のマインドが常にある彼には、日本人の私からしてもリスペクトしかない。

 

是非、2曲とも聴き比べてほしい。


また今回、珍しいなと思ったのは1曲も歌が入ってないのだ。

前作の杏里とのコラボややのあんなとの楽曲など割と歌ありが多めだが今回はアルバム全てを通して音のみ。

それでも十分にNight Tempoグルーヴを表現できているからさすがとしか言いようがないけれど。


序盤は、少々クラブノリの強めの楽曲で固めている。ライブ活動も精力的なNight Tempoの実戦的楽曲だろう。

6曲目Boy Meets Girlからいわゆるザフューチャーファンクって感じな可愛さを表現する。

ラムちゃんが踊ってそうな感じ?


続いてDigital Showerでメロウなチルグルーヴ。

音のシャワーに打たれてるような錯覚さえ覚える。


特に個人的なおすすめは13曲目のNew Dawn

アルバムタイトルの『夜韻』という言葉と上手くマッチしている楽曲だ。

少し冷たく寂しい余韻を残した夜が見えてこないだろうか。


私はアップテンポなNight Tempoサウンドも勿論大好きだ。

実際ライブに行った時も四つ打ちの重低音から突き抜ける昭和アイドルの歌声はたまらなく気持ちいいし妙にお洒落にさえ聞こえる。


そんなバチバチにキメた楽曲も良いけれど、普段夜道を歩きながら聴くときにはNight Tempoのスローテンポな楽曲をチョイスしたい。


普段の風景がまた変わって見えるんじゃないだろうか。

余韻=夜韻はアルバムを聴き終えた後も耳に残り続ける。

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