グルーヴは都市にある。

音楽には、風景があると思います。この音楽を聴けばあのシーンが蘇る。あの音楽を聴けばあの人のことを思い出す。そのような音楽が独自に持ったstoryを綴っています。是非、掲載曲を聴きながら私の"story"を読んで頂きたいです。その音楽から見えた風景を貴方と共有したいと思っています。

【パソコン音楽クラブ】の無機質な音が零0時の風景を剥き出す。


 

"無機質な音は寧ろ歌詞の風景を剥き出しにする"

 
東京テレポート駅付近を彷徨う女性を映すMV。

まさに都会的な彼らの音楽にマッチしている。

 
またあらゆるテクスチャーをカット割りする演出がよりリズムを作り、あくまでダンスミュージックであることを証明する。

 
2015年から活動するパソコン音楽クラブ

 
グループ名からしてセンスを感じるのだが、是非この機会にホームページも拝見してほしい。

 
この2ちゃんねる世代からすれば懐かしさ満載のデザインが堪らない。

 
彼らの特徴として、80〜90年代のシンセサイザーや各種音源を使用して楽曲制作する。

 
機材の関係からか妙に懐かしいグルーヴを感じるだろう。

 
一度聴けば彼らだとわかるような音の癖。

 


それが嫌味なくスゥーっと耳に入ってくるのは、巧みな技術がなければ難しい。

 
現代のシーンで20年30年前の機材で制作した音楽をリリースすることはメジャー向けではなく所謂、マニアックなリスナー向け。

 
それは必然的だろう。

 
しかし、彼らのメインリスナーの殆どは20代なのだ。


今のレコードブームなどのように時代の回帰的周期として丁度彼らの音楽が若者の求める音だったのかもしれない。

 
けれど古さが強すぎてはダメなのだ。

 
ただただ古い音楽を意識しているだけでは骨董品に過ぎない。

 
古き良き骨董品をサンプリングして、現代の音楽シーンに寄り添うようデザインを加える。

 
例えば今回のようにウィスパーボイスの女性ボーカルを起用したり、MVを近代的な演出にする。

 
そんなデザインが世間でいうお洒落さを作り出すのではないだろうか。

 
彼らは、作曲センスも間違いないがそれ以上に現代のコアなリスナーの求めている音を生み出したことが革命的なのだ。

 
果たしてパソコン音楽クラブが音楽市場を追求した上でたどり着いた音なのか。

 
それとも彼らの中で追及していった音、それ自身の時代がたまたまやってきたのか。

 
どちらにしても彼らが素晴らしい音楽家であることは間違いない。

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