『風景聴きレビュー』WILYWNKA(変態紳士クラブ) "See You Later" 東京で【御堂筋線】始発待ちの朝方を思い返す。
※ 下記の"story "は掲載曲を聴いて想像したものです。音から見える風景や物語を文にしています。是非、音楽を聴きながら読んで頂けると幸いです。
今回、ご紹介したい曲がこちら。
WILYWNKA - See You Later (feat. 変態紳士クラブ)
TAKA名義で『高校生RAP選手権』に出場し、大きく注目され、以降はMC名を変えて精力的に活動を展開してきたWILYWNKA
関西を拠点に、レゲエDJで着実に地盤を作るVIGORMAN
沖縄の唾奇、「韻シスト」のMC BASIにも楽曲を提供するメロウプロデューサー GeG
この3人で構成された変態紳士クラブからWILYWNKAソロ作として公開された楽曲
あくまでメインはwilywnkaというスタンスのようだ。
着目していただきたいのはMVですね。
大阪 東京 の2都市を舞台に展開されるこの演出は、上京している若者にはグッときます。
故郷の思い出が蘇るような。。。
- story
秋季の瀬戸際でも、熱気と蒸気で満ちていたこの空間。
しばらく経てば少し冷たさを覚えたから、
今夜のピークは過ぎ去ったみたいだ。
0時のミュージックとは変わって、BPM85くらいのビートが背中を押す。
「出る?そろそろ。」
無愛想なエントランスは、手招きだけでエレベーターへ。
肌寒くなってきた午前4時
ゴミ袋で塞がれた歩道
御堂筋を少し避けた雑居ビルの階段で
malboro片手に、始発を待つ。
向かいのファミリーマートから出てくる奴らは、肩を組んで宗右衛門町の方へ歩いてく。
一方の俺達は、ぐちぐちと言い訳を交わしながら今夜のことを悔やむ。
いつものことさ。
でも心地が良かった。
ただその瞬間だけを見ていた。
目の前のものだけを信じていた。
それを愛して、悔しくもなった。
「餓鬼だったね。」
心の中で呟けば、許せてしまう。
きっと若さってそんなもんさ。
もし昔に戻れたらなんてありきたりな問いかけ。
そんなこと出来ないんだからさ。
あの頃の記憶も今の自分の一つだから。
見渡せば、いつでもそばにいる。
距離は離れてたって、藍色の思い出で俺達は繋がってる。
また時期がくれば、あの頃みたいに濃いめの酒でその夜を忘れるのさ。